コラム

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2025.06.13

法人資産の運用を考える(79) トランプ関税とグローバルマネー(国際金融市場)

ショート連載コラム公益法人協会梅本 洋一

【トランプ関税による不確実性】

 突然の関税に全世界が驚いた(米国自国国民でさえも驚いたであろう)。

その後のトランプ政権の一挙手一投足に世界の金融市場は乱高下を繰り返した。おそらく今後しばらくの間は、皆が戦々恐々と見守るしかない不確実性の高い状態が続くかもしれない。

 トランプ大統領の本当の狙いは何か? これからどう動くのか? それらによって今後の国際政治経済、金融市場はどうなるのか? などのテーマについては、多くの専門家や評論家に譲るとして、著者の資産運用アドバイザーという立場から、もう少し長期的に国際金融市場についての個人的な考えを紹介したい。

【トランプ大統領 VS グローバルマネー(国際金融市場)】

 著者は、マネーというものは非常に賢いと考えている。同時に、マネーは生き物のように自ら自己増殖する習性を持つ。つまり、儲けられる個人、企業、国などには自然とマネーは集まる。一方、儲けられない、マネーが自己増殖することを妨げる個人、企業、国などからはマネーは逃げてゆく。

長い歴史を振り返れば、このような現象は個人、企業、国などのミクロレベルでは何度も繰り返されており、今後も未来永劫繰り返すに違いない。

 一方、マクロレベル、グローバルレベルでみれば、「嗅覚の鋭い」マネーは他の誰か、どこかの企業、世界のどこかで、より居心地の良い場所を見つけ、再び自己増殖を図ろうとする。それが今日までのグローバルマネー(国際金融市場)の姿である。これも未来永劫続くであろう。

 さてトランプ大統領(の政策)はマネーに好かれるか? 米国をマネーに好かれる国家として指導できるか? と考えた場合どうか。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。それは時間がたってみないと誰にもわからない。

 一つ確かなことは、彼の政策が、人類滅亡や資本主義経済の終わり、人々が物々交換しなければいけなくなる経済に逆戻りさせることは無いだろう(少しばかりモノ、サービス、マネーの流れを停滞させる期間を招いてしまう可能性はあるが)。

 つまり、長期的には、グローバルマネー(国際金融市場)の行方については楽観できるのではないかと考えている。

【(国際)分散投資の再認識・再点検の重要性】

 だから、資産運用・投資はグローバルマネー(国際金融市場)全体に張っておく(分散しておく)必要がある。非常に賢く、「嗅覚の鋭い」マネーが世界のどこに居心地の良い場所を見つけ、いつ再び自己増殖を始めるか判らないからである。

 さらに、各法人の現在の運用内容を今一度、点検することをお勧めする

例えば、債券ばかりに偏重していないか? 

国内資産(株、REIT、債券)に偏っていないか? 

個別銘柄投資(株、REIT、債券)に固執していないか? 

先進国資産(特に、米国株や米国債)ばかりを選好しすぎていないか? 

自問自答してみることをお勧めする。

 次は何がいつ来るのかは誰にも分からない。だからグローバルマネー(国際金融市場)全体に張って(分散して)、将来、より良い機会を迎える準備をする。現在はそのような好機と捉えていただきたい。

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