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2026.10.21

GPIFを運用事例として議論する12オルタナティブ投資(4) インフラストラクチャー投資

GPIFを運用事例として議論する【12】オルタナティブ投資(4)|インフラストラクチャー投資

GPIFのオルタナティブ投資は3種類です。

  1. ①プライベートエクイティ・・・(1)で解説
  2. ②不動産・・・(2)で解説
  3. ③インフラストラクチャー投資・・・今回解説

となります。

今回は採用されている3つ目のインフラストラクチャーについて説明して参ります。

インフラストラクチャー投資

インフラストラクチャー(infrastructure)の意味は、下支えするもの、下部構造を意味します。そのため、道路・鉄道・電気・水道・通信など社会や経済活動を支える基盤となる公共的施設や設備を指しています。

最近流行っているのは、インフラストラクチャー投資として、電力発送電、再生可能エネルギー、通信(データセンター)などのインフラ事業への投資のお話が多いと感じます。

なぜ投資をするのか

インフラストラクチャー投資は、株式・債券などの伝統的なアセットクラスと相関が低いとされています。また同じオルタナ投資の中でも、プライベート不動産投資やプライベートエクイティなどとも相関が低いとされており、分散投資の効果が期待できるために、採用されることがあります。

また、インフラを基礎とする事業などは長期契約や規制のもとに行われる事業のため、ある程度、需要を見込みやすく、キャッシュフローが予測しやすいともいわれています。

つまり

  • 他のアセットクラスと相関係数が低いこと
  • 安定してキャッシュフローが予測しやすい

という点が採用理由です。

投資手法

直接投資するのではなく、一般の投資家であれば、ファンドを通じて投資するのが基本です。発電所や空港、送電網といったインフラ資産を直接保有するには、1件あたり数十億円から数千億円の資金が必要です。そのうえ、取得後も運営事業者の管理、規制対応、長期の資金回収計画まで自前で抱えることになります。このため、資産を直接取得したり、ファンドと並んで個別案件に出資(共同投資)したりできるのは、カナダやオーストラリアの大型年金基金、政府系ファンド、大手保険会社のように、専門チームを社内に持つ一部の機関投資家に限られます。

ファンド経由といっても経路はいくつかあり、性格がかなり違います。

一般投資家がインフラに投資する主な経路
経路主な投資家特徴
上場①上場インフラファンド
(東証インフラファンド市場など)
個人・法人 市場で売買できる。国内では太陽光発電施設が中心
上場②上場インフラ関連株に投資する投資信託 個人・法人 中身は株式であり、値動きは株式市場の影響を強く受ける
非上場③非上場(私募)インフラファンド 機関投資家
(適格機関投資家など)
最低投資額が大きく、運用期間は10〜15年程度と長い。換金性は低い一方、株式市場の値動きから距離を置きやすいとされる
非上場④インフラデット・ファンド 機関投資家 インフラ事業向けの融資に投資するもので、債券に近い性格を持つ

注:インフラ資産の直接保有や個別案件への共同投資は、専門チームを持つ大型年金基金・政府系ファンド等の一部機関投資家に限られる。

GPIFもファンド経由で投資を行っていて、業務報告書にも「運用方針による規制環境が確立されていることや、長期契約に基づき、安定した利用料収入等が期待されるインフラ事業を主な組み入れ対象とするファンドを中心に投資を行っています。主にインフラ事業のエクイティ(投資持分)等を投資対象とするファンドへの投資を通じて、安定的なリターンを確保し、投資ポートフォリオ全体のリターンの向上に貢献します。」

とされています。

見定めるコツ

ここまで説明した通り、インフラと一言でいっても、公共事業(電力・ガス・水道)、空港、港湾、通信塔、太陽光発電、データセンター、再生エネルギーなど色々な分野があります。

データセンターのようなものは、現在では経済の先端を行く分野でしょう。

そのため、インフラ投資は、事業内容が時代に適合し、適切なセクターや市場の選択ができていることが重要になります。例えばAIの発展で何が必要になるか、などの経済の流れを読む必要があります。

個別の事業を選ぶことの難しさ

太陽光発電なども判りやすい事例かもしれません。当初は売電価格が高く、徐々に低下していきます。こうした政府の支援があるケースでは、経済の流れや政策を熟知している必要があります。また、インフラ投資においては負債を抱えるケースが多いですが、そういった事業内容のキャッシュフローが如何に回っているのか、そこまで判断できるかどうかも重要です。

こうした個別の事業への選択を行うことは、公益法人の皆様にとっては容易いものではないでしょう。如何に、長期的な施策であったり、経済構造の流れで必要とされる分野を見抜くのか、沢山あるインフラの中で、それらを適切に選べるかが重要になります。

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