コラム

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2026.02.15

2026年度の投資方針のポイント

粟津 久乃

GPIFを事例とした資産運用の検討を継続してきましたが、少しお休みし、今回は、クライアントへの2026年度の投資方針のアドバイスが落ち着いてきましたので、2026年度の投資方針のポイントを簡単に纏めたいと思います。

弊社は公益法人の資産運用について助言を行っていますが、通年、11月頃から2026年度の各法人の予算等を伺いながら、次年度の投資方針の助言を行っています。

そうした各クライアントとの来年度の投資方針の相談も、2月に入ると、資料作成がほぼ完成し、あとは、2025年度の最後にある理事会に向けて各法人が議案を通すだけとなってきます。

今回のコラムでは、現在の経済状況の変化を受けて2026年度の投資方針のポイントを少し挙げていきます。

◆例年確認する、おおまかな投資方針のポイント

まずは投資方針の例年の確認ポイントをおおまかに挙げましょう。

来年度予算に見合うインカム水準か

公益法人の運用目的は年間の事業支出のためでもあります。年間の必要予算に見合ったインカム水準になっているかを確認します。金利水準の変化などで、インカムが足りない場合はポートフォリオの見直しなどが必要となってきます。

許容できるリスク量か

求めるインカム水準のポートフォリオを設定したとき、そのポートフォリオのリスク量が法人の許容できる範囲に収まっているかを確認します。ポートフォリオを継続する上でリスク量が見合っているかが重要ですので、年度で必ず確認をしています。

中長期の資金計画

中長期での資金計画をヒヤリングして、資金計画に見合ったポートフォリオになっているかも確認します。

例えば助成を行う上で、教育費や渡航費の高騰で、過去の奨学金では足りないケースなどがでて助成額の見直しが発生していたりします。また昨今のインフレで、建築費や修繕等の価格も上がり、必要支出の見直しが必要な場合もあります。将来に渡り実質価値に見合って、資金計画が遂行できるポートフォリオになっているかも検討します。

◆2026年度、2つの必要な投資方針の見直しポイント

国内の金利上昇の課題

国内債券を保有されている法人は、2025年度は債券の評価損の拡大感じた年になったのではないでしょうか。特に金利感応度の高い長期の国内債券を保有している場合、下落率は著しいものがありました。

そのため、ここ数年、弊社は各法人に債券保有の課題や、こうした資産を持つことで、実質価値が損なわれている現状について資料を作成しアドバイスをしてきました。

インフレへの課題

国内のここ数年のインフレ率は2%~3%程度で定着しつつあります。一方、将来はどう予想されているかというと、IMF(国際通貨基金)の推計では2025年~2029年までの日本のインフレ率はおおむね2%前後で推移すると予想されています。

ただ、実際のところ、将来に渡りインフレが継続するかはわかりません。しかし、将来はわからないからといって、インフレ対策を取らないで良いとされる状況ではないでしょう。また、インフレに対応するためには、資産運用において事前に対応しておくことが必要になります。インフレ対策をとるには、株式や不動産等の資産価値が膨らむ可能性のある資産を一定程度、保有する必要がありますが、そういった資産の価値がいつ膨むか、金融市場の未来は誰にもわからないため、実際、対策を取るためには、事前に早くから対策を取る必要があるのです。

日銀のインフレ誘導目標も2%です。ここ数年間、弊社はインフレに対してのアドバイスを継続してきましたが、2026年度の方針においてもインフレについては必ず議題が必要となったでしょう。

◆解決への糸口を探す

今後も日銀が進める更なる金利上昇局面においては、更に法人資産は評価損が増加する可能性があります。

そのため、評価損を拡大させない方法も検討が必要です。また、金利上昇が起きて債券価格が下落しても、法人資産全体で耐えうる資産配分を検討する必要があります。

では国内金利上昇やインフレへの耐性はどう築くのか。

当たり前ですが、国内債券から国内債券に乗り換えても意味はありません。

国内の債券を長期から短期に乗り換えても、僅かな利率の上昇だけで、見えない債券の手数料等などもかかり、実質的に法人にメリットは少ないでしょう。

国内金利上昇への対策と、インフレ対策は解決策を考えていくと、一緒に考える必要がある課題とも感じます。

解決策を検討する上で、経済環境が以前とは異なっていること、過去あまり経験したことのない局面に入っていること、課題の本質をしっかりと捉えて、法人それぞれが長期に渡り法人運営が可能なポートフォリオになっているかを考える必要があるでしょう。

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