コラム

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2019.06.30

法人資産の運用を考える(9) 一般常識で理解できる資産運用の原理原則(1)そもそも資産運用とは何か?

ショート連載コラム公益法人協会梅本 洋一

資産運用や金融の仕組みを正しく理解し、成功への道を歩むには、高度な知識や複雑さは必要ない。必要なのは誰もが備えている常識的な見方、考え方だ。しかし、今日の資産運用サービスの提供者(銀行、証券会社、コンサル、運用会社など)からは、このような自明の理を表立って聞くことはないだろう。その代わり、資産運用は非常に複雑だということや、自社のアドバイスやリサーチ、専門性こそがクライアントの運用目標を達成する為には必要なのだと聞かされるだろう。


では、一般常識で理解できる資産運用の原理原則とは何か? それには「そもそも資産運用とは何だろう?」から始めなければいけない。「貯金箱に入れたお金は絶対に増えないのに、預金すると利子が付くのは何故だろう?」 預貯金として銀行や郵便局に預けたお金は、企業・個人・政府などの他の経済主体へと投融資に回される。その見返りに、銀行や郵便局は企業・個人・政府などから利子を含めた返済を受け、仲立ちとしての手数料や預金者リスクの肩代わり費用(一般の預貯金はいつ途中解約しても金融機関のリスク負担によって元本割れしない仕組み。これに対する費用など)を差し引いた残りを、預金者に払い戻しているのである。このような金融・資金融通の関係が背景にあるからこそ、預貯金は+αを生むのである。


そして、このような金融・資金融通の関係は、債券、株式においても、基本的な構造は全く同じである。すなわち、資産運用とは、『他の個人・企業・政府などの経済活動に資金融通する行為』であり、『それらを通じて利殖(+αの獲得)を目的とする行為』なのである。どの経路・手段を使おうが、結局、行き着く先は同じである。つまり、あらゆる資産運用において収益(+α)として認識されている利子、配当、キャピタルゲインの源泉を辿れば、全て他人・他の主体の経済活動に行き着くのである。


このように資産運用のリターン(+α)の源泉が共通していることを把握できれば、損失を被ってしまう主要な原因はそれと表/裏の関係にあることが理解できる。つまり、資産運用において最も避けたいことは、資金融通・投資したお金がリターンと共に回収されないこと、期待を裏切られることである。それが起きてしまう原因は。資金融通先である他の個人・企業・政府などの経済活動が「劣化」、おかしくなってしまうという原因に絞り込まれる。


法人の資産運用において両立してゆかなければならない2つの大命題とは次の通りとなる。第1に、資産運用での資金融通先、個々の経済活動の「劣化」をいかにリスクマネジメントできるかということである。第2に、資金融通先の経済活動から生みだされている利子配当収入やキャピタルゲイン(+α)をいかに効率よく獲得することが出来るかということである。


拙著『新しい公益法人・一般法人の資産運用』でも述べているように、これら2つ命題が


両立できる『解』にたどり着くには、高度な知識や複雑さは全く必要ない。必要なのは誰もが備えている常識的な見方、考え方だ。しかしながら、現実問題、未だ多くの法人の資産運用関係者はそれを知らないのである(あるいは資産運用には高度な知識や複雑さが必要であると、ほかの誰かから信じ込まされているのである)。


以上

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